一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会 学生部

「CSRとマーケティング」講座 第4回

-法政大学大学院「CSRとマーケティング」講座 第4回-
dot science株式会社、フェアトレードカンパニー株式会社

 

今年の6月~7月、法政大学大学院の「CSRとマーケティング」講座(毎週月曜 18 :35~22:00 担当:茂木 信太郎先生、法政大学非常勤講師/ソーシャルプロダクツ普及推進協会副会長/亜細大学経営学部教授)では、ソーシャルプロダクツ・アワード(SPA)の受賞者をゲスト講師に招いて、受賞商品の開発経緯やマーケティング上の工夫、市場の反響や課題などについての話を聞く機会を設けました。本特集では、その内容について簡単にご紹介していきます。

※講座についての詳細:https://goo.gl/1ZxbvF

 

第4回は、オーガニックのエディブルフラワー(食用花)を手掛けている「dot science」様と、フェアトレード商品のメーカーである「フェアトレードカンパニー(People Tree)」様に、具体的な取り組みをお話し頂きました。

 

【タイトル】FOOD VISIONING

【 講演者 】dot science株式会社 代表取締役 小澤 亮 様

【受賞商品】EDIBLE GARDEN:SPA2018 特別賞「アイディア」

 

dot scienceは、日本の「食」づくりをアップデートするために、様々な事業を展開しています。SPA2018で特別賞を受賞した「EDIBLE GARDEN」は、日本で唯一のオーガニックエディブルフラワー(食用花)です。研究機関と共同で調査したところ、同ブランドの主力商品である食用バラは、通常の商品と比較して、3840倍もの香気成分が含まれていました。「EDIBLE GARDEN」の顧客には、プロのシェフも多数いらっしゃいます。彼らに高い評価を頂けるのは、競合他社の商品との差異を科学的に証明している点にあると思います。

 

また、「EDIBLE GARDEN」の製造を、障がい者福祉施設にお願いしていることも、高い評価につながっています。同ブランドの商品は、通常の商品と比較して、2週間近く(人によっては1か月)も長く保つという声を沢山頂きます。これは、障がい者の方々の丁寧な作業に起因していると考えられます。dot scienceが製造を委託している福祉施設では、花の鮮度が低下しにくい午前中に収穫した後、手作業で丁寧にパッキングし、商品出荷の前には予冷(鮮度を落とさないようにあらかじめ冷やしておくこと)を施すなど、オペレーションに細心の注意を払っています。このような障がい者の方々の「コツコツ作業ができるタレント」に対して適正な賃金を支払うべく、障がい者福祉施設における平均賃金の2倍に相当する水準を目指して、日々の事業に邁進しています。

 

一方で、エディブルフラワーのマーケットは極めて小さいという課題もあります。そこで、「EDIBLE GARDEN」をさらに拡大するため、食用バラを活かした「香りを食べるアイスクリーム FRAGLACE」も開発しました。(アイスクリームという)より大きなマーケットに参入することで、各種メディアへの掲載や新規顧客の開拓(ホテルなど)、大手菓子メーカーとのコラボレーションなどにつながりました。今後も、多様な展開を模索していく予定です。

 

 

【タイトル】『フェアトレードのある暮らし』のきっかけに ブランド・アンバサダーとしてのフェアトレード・フード

【 講演者 】 フェアトレードカンパニー株式会社(People Tree)食品・総務統括 村田 薫 様 / 広報・啓発担当 鈴木 啓美 様

【受賞商品】フェアトレード・チョコレート:SPA2017 大賞

 

フェアトレードカンパニー株式会社は、ファッションやチョコレートなど、様々なフェアトレード商品を展開するブランド「People Tree」を運営しています。「フェアトレード・チョコレート」は、洋服やアクセサリーと比較して、多くの人が気軽に購入できる安価な値段(税込378円)で提供しているので、同ブランドにおけるアンバサダー的な役割を担っています。

 

「フェアトレード・チョコレート」のパッケージでは、まず「かわいい」「おいしそう」といった楽しい感情から手に取ってもらい、(購入し)中を開いてみると、フェアトレードについての情報が記載されており、ソーシャルな価値観にも触れることができるといった価値伝達の順番を意識しています。(ターゲットである女性は特に)パッケージに情報を載せすぎてしまうと、手に取ってもらえる可能性が低くなるので、真っ白な背景にオシャレなイラスト+ロゴといった、シンプルで目の引くデザインにしました。

 

「People Tree」では、途上国の生産者と積極的にコミュニケーションを図っています。例えば、生産者の方々を日本にお招きし、実際の売り場を見て頂いたり、スタッフが生産地を訪問し、品質上の理由から販売することができなかった商品を題材に、改善点を考えるワークショップを開催したりしています。これらの取り組みは、同ブランドの品質向上につながっています。

 

(文責 ソーシャルプロダクツ普及推進協会 学生部代表 樋口晃太)