一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会 学生部

ヒューマノイドロボットの活用と可能性に関する研究-就職面接での活用の試み-

論文タイトル

ヒューマノイドロボットの活用と可能性に関する研究-就職面接での活用の試み-(学士論文)

 

著者

浅岡 英隆(中央大学 商学部 齋藤ゼミ 2018年度卒)

福永 皓(中央大学 商学部 齋藤ゼミ 2018年度卒)

喜多村 紗衣(中央大学 商学部 日高ゼミ 2018年度卒)

 

要旨

近年、IT技術の進歩によりAIやコミュニケーションロボット・スマートフォンが普及し、生活のためのツールとして私たちにとって身近なものとなりつつある。その流れは学生にとって一大イベントと言える就職活動についても同様であり、エントリーシートの審査や自己分析のツール、実際の面接など様々な面で従来の人を介する方法とは異なる採用方法が採られ始めている。

 

こうした背景には、勿論前述のようにIT技術の進歩により身近になりつつあることも要因であるが、企業側にとって採用活動が大きな負担となっていることが挙げられる。新卒一括採用方式が主流である日本では、企業によっては数百人以上の学生がエントリーすることもある。また、日本におけるほとんどの企業では採用活動の中で面接試験が実施されていることが多い。そのような状況において通常の人事担当だけでは手に負えず他の部署から派遣されることもしばしば起こり、通常の業務に人手が不足するばかりか、人事としての経験が浅い人に採用を任せることで学生のポテンシャルを見極めきれない弊害が生じてしまっている。これは企業にとっても、また学生にとっても好ましくない状況であり、その解決策として面接試験においてロボットを用いることで均質化・利便性を向上することを目指している。しかしながら、面接試験においてロボットを用いることがいまだ新しい試みであり、検証されていないことから私たちは代用手段として有効であると考え、実験を通じて検証することとした。

 

そこで我々は検証するために、株式会社DenCubicよりヒューマノイドロボットPepperをお借りし、遠隔でPepperを介した一対一面接が行えるようプログラムを作成した。これを用いて学生に模擬面接を実施し、従来通りの対人面接も併せて行い同一の評価シートに基づく評点及び事後アンケートを比較することで検証とした。

 

本研究では株式会社リンクアンドモチベーションの西村様からヒアリングした評価のポイントと被験者へ実施した事後アンケート・心拍の変化を基に分析を行った。検証の結果、既存の面接試験と比較してロボットを用いた面接試験は学生側の緊張度合が低く、また面接試験の内容に関しても会話のテンポ等満足度が低い点があったものの面接自体への影響が少なく、代用手段として十二分に活用可能であることが検証できた。満足度が低い要因として、ロボットで面接試験を行う際に人間対人間の面接試験と比べ、ラグや話された内容を理解するのに時間がかかってしまうことによるものだと考えられる。

 

今後、長期的な研究が可能であるならば従属変数を増やすことでより高い精度で評価がなされ、ロボットでの代替の可能性をより盤石なものとすることが予想される。