一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会 学生部

ステークホルダーと「Social Value」を共創するビジネスをつくる

論文タイトル

ステークホルダーと「Social Value」を共創するビジネスをつくる
―「Private Value」をキッカケにして、生活者を巻きこもう!―

住友理工 学生小論文アワード2018 優秀賞受賞論文

 

著者

樋口 晃太(中央大学大学院 商学科 修士2年)

 

キーワード

ステークホルダー、生活者、ソーシャルプロダクツ、Social Value、Private Value、共創、SDGs(持続可能な開発目標)

 

要旨

2015年、国連総会でSDGs(持続可能な開発目標)が採択された。昨今、あらゆる社会問題が深刻化・複雑化の一途をたどっており、多くの企業や研究者が社会問題の解決にビジネスチャンスを見出し始めている。しかし、企業が単独でビジネスを通して社会問題を解決するのは難しいので、多様なステークホルダーと共に取り組むことが重要となる。そのためには、ステークホルダーと共有できる価値や目的がなくてはならない。それらを担える価値の1つに「Social Value(社会的な価値。以下、SVとする)」がある。SVとは「環境にやさしい」「作り手に配慮がある」「地域を応援できる」といったより良い社会の実現につながる価値である。以上を踏まえて、本論文においては「ステークホルダーとSVを共創する(①)」ことがSDGs時代のビジネスのつくり方であると提言したい。

 

また、SDGs達成への貢献度やビジネスとしての規模を拡大するという意味では、多くの生活者を巻きこむという視点も大切である。そのためには「Private Value(個人的な価値。以下、PVとする)も意識しなければならない。PVとは「おしゃれ」「手頃な価格」「安心・安全」「ライフスタイルや価値観に合う」といった生活者にとっての価値である。生活者の社会的な意識は高まってきているので、SVは生活者からの支持を得る上では訴求力を有するものの、商品を選ぶ際の判断基準にはなりづらいことは様々なデータが証明している。さらに、将来の消費を担う若者にアンケート調査を行ったところ、SVは商品への愛着や継続的な購入、知人への推奨につながることが明らかになった。よって、エンドユーザーが生活者であるビジネスにおいては「PVで商品を使用・購入するキッカケをつくり、SVで生活者との結びつきを強化する(②)」ことも考慮すべきである。本論文では①②を実践する事例として、豊島社の「オーガビッツ」を取り上げる。