ソーシャルプロダクツ・インタビュー<br>―株式会社ドトールコーヒー「ビオディナミコーヒー」―

2015/01/23

ソーシャルプロダクツ・インタビュー
―株式会社ドトールコーヒー「ビオディナミコーヒー」―

おいしくて手ごろな価格のコーヒーを提供するドトールコーヒーは、オーガニックや生産地に配慮した商品の取り扱いにも力を入れています。昨年は、インドの究極のオーガニック栽培法とも呼ばれるビオディナミ栽培のコーヒー「ビオディナミコーヒー」を発売し話題を呼びました。広報の坂本詩央さんにお話を伺いました。

 

―はじめに、ドトールコーヒーの“商品を通じたより良い社会づくり”について、お聞かせください。

ドトールコーヒーは、「世界中のコーヒーをお客様に紹介すること」を使命としています。これはコーヒー農園の方の思いでもあるはずで、私たちは生産者と消費者をつなぐ架け橋だと考えています。そして、コーヒーを通じて生産国のお役にたてる方法はないかと常に模索しています。おいしいコーヒーを提供し続けるためには生産国への配慮は、欠かせないものなのです。ドトールコーヒーには、環境対策課という課があるのですが、ここの課は、コーヒー生産国の大使館を訪問し、ドトールコーヒーとして生産国に対して何かできることはないかと、ヒアリングを重ねています。各国大使館からは、学校の机や椅子、文房具が不足しているといった声が上がってきており、今後ドトールコーヒーとして何ができるか、検討をしているところです。

 

―フェアトレードについては、どのようにお考えですか?

コーヒーというとまず、フェアトレード商品を思い浮かべる方も多いかと思いますが、ドトールコーヒーでは、とくにフェアトレードと銘打ったものは発売していません。ですが、公正な取引は行っています。ドトールコーヒーのコーヒー豆は、一部商社から購入するものもありますが、自社で直接生産地の生育状況を確かめて、ドトールの基準に合致した豆だけを仕入れることに重きを置いています。コーヒー農園には、継続的に品質のよいコーヒー豆を栽培してほしいと考えており、そのためには適正な価格での取引は不可欠です。価格、労働条件等も、適正でなければ、おいしいコーヒー豆を作り続けてもらえなくなります。社会貢献というより、何よりもまず、おいしいコーヒーを提供するためのフェアトレードですね。 フェアトレード認証については、各社さまざまな考えがあると思いますが、ドトールコーヒーでは、認証は特に取得していません。これは、認証機関に調査や判断をゆだねてしまうより、自分たちでの農園との直接のやりとりを大事にしたいと考えているからです。

 

―昨年秋には、「インド ビオディナミ」コーヒーを発売されました。ビオディナミは究極のオーガニック農法とも呼ばれ、中でもビオディナミのコーヒー豆は大変希少性が高いものですが、発売までの経緯を教えてください。

ドトールコーヒーはおいしいコーヒーを手ごろな価格で提供することだけでなく、世界中のコーヒーを探して、まだみなさんに知られていない個性的な豆をご紹介していくことも重要な役割だと考えております。コーヒーの国際オークションで審査員を務める社内の味覚責任者が、世界各地のコーヒー農園を訪ねて、美味しいコーヒーを探しているのですが、インドのポアバスという農園で、大変素晴らしいコーヒー豆が見つかったのです。この農園は、自然保護区の中にあり、地上の楽園のように、動物たちもたくさんいて、働く人たちも幸せそうに働いていたそうです。このポアバスとドトールコーヒーが契約を結び、商品化を実現することができました。初回訪問時に、未来への投資という意味でドトール独自の栽培指導を施し、収穫する樹まで個別に指定して買い付けたものがオリジナル商品として世に出たのです。

 

―オーガニックコーヒーついてのお考えもお聞かせいただけますか?

オーガニックとそうでないコーヒーは、明確に味が異なるわけではないので、その価値を伝えるのが難しいところです。過去にもオーガニックコーヒーは何度か発売し、こだわりのある人に買っていただきましたが、全体的には反応が高いとはいえなかったですね。コーヒーの場合、オーガニックだからというより、その味を気に入って買っていただく方がほとんどではないかと思います。ただ、オーガニックについては、環境への配慮やそこで働く人たちへの配慮でもあるので、その辺りのことをいかにお伝えしていくかが、今後の課題であると思います。

この企業について

株式会社ドトールコーヒー

東京都渋谷区神南一丁目10番1号

https://www.doutor.co.jp/

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