ソーシャルプロダクツ・インタビュー<br>―LINE株式会社―

2017/01/27

ソーシャルプロダクツ・インタビュー
―LINE株式会社―

無料でメッセージ送信や通話ができるアプリ「LINE」は、月間利用者がグローバルで約2億人以上、日本国内では6800万人以上にのぼり、若い人々だけでなく幅広い世代から注目を集めているツールです。LINEではチャット用のスタンプをダウンロードして購入することができ、現在、多くのクリエイターによるスタンプが販売されています。

同社では、東日本大震災や熊本地震など自然災害の被災者への義援金や、ユニセフへの支援として、スタンプの売り上げを寄付する「LINEドネーションスタンプ」を期間限定で販売しました。今回は、LINE株式会社 公共政策室CSRチームマネージャー 浅子秀樹様に、募金付きスタンプの取り組みについてお話を伺いました。

 

―はじめに、LINEドネーションスタンプのプロジェクトが始まったきっかけについて教えてください。

自然災害等で甚大な被害が出た際に、当社としても何かお役にたてることがないかと、社内から声があがったことがきっかけです。これまでに、東日本大震災の復興支援スタンプ(「3.11こどもスタンプ」「3.11つながるスタンプ」)、熊本地震の被災者支援スタンプ、フィリピン台風の被災者支援スタンプ、台湾地震の被災者支援スタンプ、ユニセフ(国連児童基金)を支援するスタンプ「LINE×UNICEF スペシャルエディション」などを期間限定で販売してまいりました。

「3.11こどもスタンプ」は、被災地(福島・宮城・岩手・青森・茨城県)の中学生以下の方からご応募いただいたイラストのうち、審査を通過した受賞作品24作品をスタンプ化したもので、多くの子どもたちにご参加いただきました。

 

―アプリのユーザーがスタンプを購入することで、被災地を支援することができるのですね。

そうですね。日本国内だけでなく、フィリピンの台風やネパールの地震など、世界の被災地に対して支援を行っています。

昨年の4月に発生した熊本地震の際は、4月18日から5月18日の1か月間、ドネーションスタンプを販売しました。LINEのキャラクターであるコニーやブラウンのスタンプです。全8種類のスタンプを、120円の価格で販売しました。性別・年齢問わず愛されるキャラクターなので、多くの方にスタンプを購入していただきました。また、日本国内だけでなく世界中で購入していただける商品であるため、日本の被災地を支援したいと考えている海外の方々にも購入していただけました。売上総額64,277,569円は、すべて日本赤十字社に「平成28年熊本地震災害義援金」として寄付しました。

 

―プロジェクトを進めていく中で、社内の意識作りの面で難しさはありませんでしたか。

LINEは東日本大震災を契機に生まれたサービスです。災害が発生した際、家族や友人など大切な人と安否確認の連絡を取ることができる連絡ツールを作ろうと考えたことがきっかけでした。LINEのメッセージを読むと「既読」のマークが付く機能は、返信をする余裕がなくても相手に無事を知らせることができるようにと考案されたものです。

こういった経緯で誕生したサービスであるため、社内では支援に対する意識が高く、各担当部署の協力体制も整っています。特に災害に対する支援の場合は、性質上スピード感が求められることが多くなります。

被災地を支援するプロジェクトを進めていく上で、社員に支援の目的をしっかりと伝え、共有することが大切だと考えています。また、お客様に対してはしっかりと成果を報告することを心がけています。

 

―LINEスタンプを通じて被災地の支援を行ったことで、変化や反応などはありましたか。

具体的な変化というわけではありませんが、それぞれのプロジェクトで、信頼できる支援先に寄付を届けることが出来ています。例えば今年の熊本地震の被災地支援スタンプを通じた寄付は、熊本県、大分県に設置された義援金配分委員会を通じ、全額が被災された皆さまのお手元に届けられ、被災された方々ご自身によりご活用されます。

「3.11つながるスタンプ」は、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの行う、東北の子ども達に対する「子どもの貧困問題解決プロジェクト」と「子ども虐待の予防プロジェクト」の活動に活用されます。

「子どもの貧困問題解決プロジェクト」では、経済的に困難な状況下にある子どもや養育者に学校生活に必要な備品の購入費用の一部を給付するなどの活動を実施しました。保護者からは、「義務教育なのに自力で揃えなくてはならないものがありすぎで、すごく苦しかった。一安心できた」などのコメントをいただきました。

 

―今後の展望について教えてください。

昨年3月には、「災害時に役立つLINEの活用方法」を公開し、WEB版(※)はどなたでも閲覧・ダウンロードしていただけるようになっています。ご家庭や地域・学校において活用していただけたらと思います。 また、8月には日本赤十字社熊本県支部を訪問し、持ち帰り可能なリーフレット版を血液センターの献血ルームに置かせていただきました。

今後は、スタンプの販売を通じた災害復興支援に加え、災害時におけるLINEを通じた情報発信や減災等の取り組みも行っていきたいと考えています。これからも、LINEらしい独自の取り組みを通じて、地域社会とのつながりを拡げてまいります。

―ありがとうございました。

※「災害時に役立つLINEの活用方法」(http://official-blog.line.me/ja/archives/54801265.html

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