ソーシャルプロダクツ・インタビュー<br>―株式会社ヴェレダ・ジャパン―

2015/10/29

ソーシャルプロダクツ・インタビュー
―株式会社ヴェレダ・ジャパン―

創業1921年、ナチュラル・オーガニックブランドのパイオニアとして知られるWELEDA(ヴェレダ)。スイスで、哲学者ルドルフ・シュタイナーの自然療法に基づく医薬品づくりから歴史をスタートし、現在では化粧品、ヘルスケア製品、健康食品など、ホリスティックな製品を世界52ケ国で販売しています。

環境大国スイス・ドイツの中でも、サスティナビリティ企業の代表格といわれ、国連やWWFと取り組む生物多様性を守る活動や、クリーンエネルギーの活用など、世界レベルで様々な活動に取り組んでいます。今回は、化粧品をはじめとする製品における取り組みについて、ヴェレダ・ジャパンPR栗田綾野さんに伺いました。

―はじめに、御社の商品ではどのような社会的取り組みを行っているのかお聞かせください。

ヴェレダでは創始者シュタイナーが位置付けた「自社は人類と世界全体のためにある」という創業当初からの企業理念に基づき、すべての製品において環境・社会に多面的に配慮して開発に取り組んでいます。たとえば、化粧品や医薬品の製造に使用している自然原料は、約1000種類ありますが、バイオダイナミック栽培、有機栽培、野生の原料を可能な限り使用しています。農地に関しては「フェアトレード・プロジェクト」といって、植物の育成に適した地域の農園とパートナーシップを組み、積極的にフェアトレードを行っています。

製品の原料となる植物の中には、森林伐採や自然破壊によって絶滅の危機に瀕している品種が少なくありません。そこで、希少植物の生育環境保全にも力を注いでいます。近年絶滅の危機に瀕している植物の中に、マッサージオイルなどに使われるアルニカという植物があるのですが、ヴェレダは2005年以降、WWFや大学と協力して、環境に配慮した形で毎年収穫できる最良の方法を研究し、生産地の人々に伝授してきました。このプロジェクト開始以来、アルニカの生息環境は改善し、野生のアルニカの数を倍に増やすことができました。

―バイオダイナミック栽培とは具体的にどのような農法なのでしょうか?

シュタイナーが考案した植物本来の力やエネルギーを最大限ひきだす究極の有機農法です。化学肥料や殺虫剤を使わない点では有機栽培も同じですが、異なる点は宇宙の力を取り入れ、地球と植物のリズムを考えて栽培することです。メリットは植物のエネルギーが強いこと・強い土壌が育つことで、デメリットは手が非常にかかることでしょうか。

 

―フェアトレード・プロジェクトについても詳しく教えてください。

現在、トルコのザクロ、モロッコのアルガンオイルやスペインのアーモンドオイル、ペルーのラタニア、など13種の植物の育成を12カ国で行っています。このプロジェクトの大きな特徴は、農園を、未来を一緒に作り上げることのできるパートナーと位置づけ、農園が製品に使用する原料を供給するだけの契約栽培者にとどまらないことです。ヴェレダではこれから発展していくであろう国の小さな農園や会社と直接話し合い、お互いに協力し合う関係を築いています。そして、持続可能で環境負荷の少ないバイオダイナミック農法やオーガニックの技術を提供し、長期にわたって安定的な事業になるよう経営のケアに取り組むことで、地域の経済的、社会的な発展をサポートしています。

―フェイスケア、ボディケア、髪や頭皮のケアなどに使用する製品には、そこで使う自然原料に定義(基準)があるそうですが、それはどのようなものなのでしょうか?

それは、「合成の保存料・着色料・香料、鉱物油は一切使用しないこと」「物からエキスを抽出する際に合成溶媒を使用しないこと」など、創立以来、守り続けているものであり、今後も挑戦し続けなければいけないものです。

ちなみに、製品には製造方法、環境保護、動物保護など厳しい製造・品質基準も設けているため、全製品がオーガニック認証制度「NATRUE(ネイトゥルー)」を取得しています。2015年10月に発売したばかりの美容液「イブニングプリムローズファーミングコンセントレート」もネイトゥルー取得プロダクツです。

―環境や社会に配慮した御社の化粧品の開発において、ご苦労される点をお聞かせください。また、動物保護のため動物テストは行っていないそうですが、製品の安全性はどのように確認されているのでしょうか?

苦労という点では、バイオダイナミックでは育てられない植物があってその原料確保が難しいことが挙げられます。そのうちのいくつかは、許可を得て収穫した野生植物を使用するなどしているのですが、それによって製品の開発には時間がかかってしまいます。

また、製品の安全性のテストですが、第三者試験機関を通し人間の肌で行っています。

 

―人や地球、社会への配慮に関する今後の方針についてお聞かせください。

今後も、創始者シュタイナーの「自社は人類と世界全体のためにある」という企業理念を頑固なまでに貫いてきます。ヴェレダの取り組みをイベントや製品を通して多くの方々に伝えていきたいと考えています。

この企業について

株式会社ヴェレダ・ジャパン

東京都渋谷区恵比寿1丁目13番6号

https://www.weleda.jp/

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