ソーシャルプロダクツ・インタビュー <br>― シック・ジャパン株式会社<br>「ブルドッグ オリジナル バンブーホルダー」―

2020/04/24

ソーシャルプロダクツ・インタビュー
― シック・ジャパン株式会社
「ブルドッグ オリジナル バンブーホルダー」―

カミソリと言えば、プラスチックのハンドルが当たり前です。プラスチックゴミ削減が求められる昨今、ハンドル部分に竹を使用した「ブルドッグ オリジナル バンブーホルダー」は、環境への配慮はもちろん、竹ならではのデザイン性も目を引きます。
同商品を展開するシック・ジャパン株式会社にて、マーケティング本部の中町様と寺戸様から「ブルドッグ オリジナル バンブーホルダー」開発の経緯や生活者(購入者)からの声、今後の展望などについてお話し頂きました。

― はじめに、「ブルドッグ オリジナル バンブーホルダー」開発の経緯を教えてください。

カミソリ業界ではプラスチックのハンドルを使うことは当たり前で、アメリカでは年間20億本が廃棄、埋め立てられていると言われています。プラスチックゴミ削減が求められる中、一歩前進した取組みとして、シック・ジャパン株式会社では「ブルドッグ オリジナル バンブーホルダー」を展開しています。
同商品は、カミソリのハンドル部分にプラスチックの代わりとして竹を使用しています。パッケージも紙製でリサイクルできる仕様となっており、カミソリに使われるプラスチックの量の削減を実現しました。

―なぜ竹をハンドルに採用したのですか。

耐久性や汎用性、環境配慮の観点から、竹を選択しました。中国・福建省で育つ孟宗竹(もうそうたけ)を使用しています。竹は世界で一番成長の早い植物と言われており、適度に伐採することで竹林を良い状態に保ち、環境の向上へとつながります。また、竹は水に強く変形も少ないため、お風呂周りの製品に適しています。

プラスチックのハンドルはどれも同じような見た目ですが、「ブルドッグ オリジナル バンブーホルダー」は自然の竹をそのままつかっているので柄も一本一本違っており、洗面台やお風呂場に置いたときにも絵になります。そういったデザイン性も竹のハンドルならではです。

―本商品を開発したブルドックとはどのようなブランドですか。

ブルドックはイギリスで2017年に誕生した男性専用スキンケアブランドです。創設者のサイモン・ダフィー自身が買いたいと思えるスキンケアがなかったことをキッカケに、商品開発を始めました。ブランドとしてのポリシーを明確に持っており、原材料もフェアトレードのものを取り入れています。ブルドックはイギリスの犬種で、イギリスらしさと男性らしさを象徴しています。キャッチコピーでは「マンズベストフレンド」という言葉を使っており、常にあなたのそばに寄り添って肌タイプ別のスキンケアを提供する、というブランドの想いが込められています。

 

―商品開発の過程で苦労したことを教えてください。

「ブルドッグ オリジナル バンブーホルダー」はカミソリに使われるプラスチックの量の削減を実現していますが、まずは性能が担保されていないと生活者の皆さまに使って頂けません。カミソリとしての性能は落とさずに、いかに環境に良い商品をつくるかを細部にまでこだわって開発してきました。カミソリの刃の生産は技術が必要なため、スキンケアブランド単体での開発は難しかったのですが、エッジウェルパーソナルケア社※の傘下でカミソリブランド シックの技術を応用することで刃の生産技術を確立できました。ブルドックは常に新しいことへチャレンジする姿勢がある社風のため、2〜3年という迅速な開発期間を経て本商品が実現されました。

※エッジウェルパーソナルケア社:全世界50ヵ国以上の市場でパーソナルケア商品を展開するグローバル企業

 

シック・ジャパン株式会社マーケティング本部
中町様(写真左) 寺戸様(写真右)

―環境への配慮について、どのようなコミュニケーションを行っていますか。
環境配慮に関しては情報が多くても伝えきれないため、媒体や伝える対象によってコミュニケーションの内容や方法を変えています。
日本でのブランドローンチイベントの際は、サイモンが来日してブランドへの想いや姿勢を語り、その内容をPRメディアに取り上げて頂きました。
屋外広告では、興味喚起のためにアイコンであるブルドックを中心に見せたキャンペーンを渋谷で展開しました。このブルドックはテレパシックブルドックといって、あなたの心が読める、あなたのそばに寄り添っていい商品を提供する相棒、という位置づけです。広告を見て「あれは何だ?」と興味を持ち検索してくださった方に向けて、オンラインメディアでブランドのストーリーや商品の環境配慮について発信しています。インスタグラムやツイッターでは、カミソリを洗面台やお風呂場に置いた時、SNS映えするビジュアルの訴求や、使っているところを想起させるイメージ、世界観づくりを行っています。それを見て店頭にきてくださった方へ、ブランド・商品のストーリーや具体的なスペックをさらにお伝えする形をとっています。
また小売店に対しては、「ブルドッグ オリジナル バンブーホルダー」をはじめとしたブルドックの環境へ配慮した商品(モイスチャライザー、シェービングジェルなど)をトータルでご提案することで、環境配慮がされている商品を取り揃えた売り場作りのお取組みを強化しています。

―商品のターゲットと、購入者からの声を教えてください。
「ブルドッグ オリジナル バンブーホルダー」は、スキンケア意識が高くこだわりのある18〜30代をメインターゲットにしています。実際の購入者は、想定以上に10〜20代の方が多くいらっしゃいました。人と違うものを使いたいという方や、商品やブランドのメッセージにご共感いただいた上で購入される方が増えています。本商品の環境に対する姿勢も好評です。カミソリ本体としては、Amazonにおける販売個数が今年1月頭にシックの取扱商品の中で一番となりました。
また、自然の竹をそのまま使っているため柄も一本一本違う点に、愛着を持ってくださる方もいらっしゃいます。従来のプラスチックの場合、どのハンドルも似た様な見た目で、デザイン性ではなく機能性だけが問われてきました。
竹の風合いに温かさがあるという感想も多数頂いており、デザイン性を兼ね備えている点が評価につながっています。

―これからの課題や展望についてお聞かせください。
ブルドックは、商品自体やコミュニケーションの仕掛けなど、そのユニークなアプローチで話題を提供できるブランドです。
男性は一度カミソリのブランドを決めると、なかなか変えることがありません。ですので、どんな年代の方にもまず一回使って頂くことが大事になります。バンブーホルダーに目をとめてくださったお客様に、しっかりとブルドックのブランド姿勢について理解して頂き、定着してご使用頂けるよう取り組んでいく必要があると考えています。ブルドックのブランドストーリーや環境配慮の取組みをいかに伝えていくかが、今後の課題です。
まだマイナーなブランドではありますが、お取引先からの問い合わせも増えています。環境意識が高く、こだわったアメニティを探しているホテルや旅館などからも問い合わせを頂いています。従来のアメニティは使い捨てがほとんどで環境配慮が十分でない面がありますが、ブルドックはご自宅へ持ち帰り使い続けて頂けるアメニティになると考えています。商品と一緒に置けるリーフレットを用意しそこに環境配慮の内容を記載して、「ご自宅へ持ち帰りご使用ください」といったコミュニケーションをしていく予定です。
今後も現状に満足するのではなく、プラスチックの使用をさらに控えた商品を生み出す試みを続けていきます。商品を改良し環境配慮の質を高めていくことで、プラスチックフリーの社会の実現に貢献し、よりよいニュースをお届けしたいです。

 

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