ソーシャルプロダクツ・インタビュー<br>―株式会社グラフィコ「skin PEACE」―

2013/12/20

ソーシャルプロダクツ・インタビュー
―株式会社グラフィコ「skin PEACE」―

空気も肌も乾燥する冬。ハンドクリームが手放せない方も多いのではないでしょうか。今回は、アフリカ・ベナン共和国産のシアバターを原料に、「skin PEACE」ブランドの化粧品を企画・販売する「株式会社グラフィコ」をご紹介します。資源の少ない国に産業を作り、ビジネスを通じて、現地の人々の自立と子どもたちの幸せを支援する「フィール・ピース・プロジェクト」と「skin PEACE」商品について、広報部の水谷様と杉光様にお話を伺いました。

―「フィール・ピース・プロジェクト」の概要と開始の経緯を教えてください。

「フィール・ピース・プロジェクト」は、途上国に長期的収入源となる産業基盤を作り自立を支援することを目的としています。このプロジェクトは、2008年に3人の発起人によって設立されました。ベナン共和国・特命駐日大使であり、NPO法人IFEの代表も務めるゾマホン・ルフィン氏、株式会社ネクストの代表である井上氏、そして当社の代表・長谷川です。もともと親交のあった井上氏を通して、ゾマホン氏が母国のために取り組む活動を知った長谷川は、その活動に深い感銘を受け「フィール・ピース・プロジェクト」の立ち上げを決めました。ベナンの産業を支援しつつ、お互いがビジネスとして成り立つ仕組みが必要でした。そこで、当社が長年手掛けてきた、化粧品や日用消費材の企画・販売の経験を生かし、「フィール・ピース・プロジェクト」第一弾として、ベナンで多く採れるシアバターを原料にした化粧品の製造と販売に着手しました。

 

―プロジェクトの内容について、もう少し詳しく教えていただけますか。

「フィール・ピース・プロジェクト」の最大の目的は、途上国で、現地の資源を用い、内需・外需を生み出せるような産業を作ることで、現地の人々が自分たちで収入を得る手段を確立することです。単なるフェアトレードや寄付に留まらず、現地の長期的な収入源となる産業の基盤を作り、現地の人々への教育や施設の整備を推し進め、最終的には、現地の人々が、自分たちの力だけで安定的な収入を確保できるような状況にしなくてはなりません。

第一弾として発足したベナンでのプロジェクトでは、ベナンで調達・抽出したシアバターを、先進国を経由せず、直接日本へ輸入、国内で化粧品用に精製し、それを原料に化粧品を製造・販売しています。こうして商品化されたものが「skin PEACE」ブランドの化粧品です。

シアバター生産の様子

―「skin PEACE」では、どのような商品を展開されているのでしょうか。また、その特徴を教えてください。

2010年に、第1号として「モイスチャライフ ハンドバター」というハンドクリームを発売しました。保湿力が高いというシアバターの特徴を生かすには、ぴったりの商品でした。翌年には、石けんと化粧水、クリームを発売。その後、リップクリームとボディミルクを発売し、現在9種類の商品を展開しています。

これらの商品は、全て100%食品由来成分で作られています。化学的な成分は一切入れず、シアバターも、化学薬品を一切使用せずに精製したものを使用しています。直接肌に触れる化粧品は、安全・安心であることがまず何よりも重要であると思います。その上で、保湿や肌への効果といった、化粧品としての機能も満たさなくてはならない。さらには、継続利用しやすい価格であることも必要です。「skin PEACE」は、このような要素を全て兼ね備えていると思います。

 

―近年、オーガニック化粧品の市場では新しい商品やブランドも増えています。ソーシャルな化粧品は競合商品も多いと思いますが、敢えてその市場に挑んだ理由を教えてください。

はっきり言ってしまうと、「skin PEACE」=オーガニックではありません。事実、パッケージにもホームページにも「オーガニック」という言葉は、見当たらないと思います。オーガニック認証の原料を使用したり、認証を取得したりすると、生産コストが非常に高くなり、それを販売価格に反映せざるを得ません。しかし、「skin PEACE」は、ベナンの産業を支援することを目的に作られたブランドです。ベナンのシアバターの生産量を増やし、より大きな支援に繋げるには、日本の生活者に受け入れられる商品を作り、長く継続して使っていただくことが必要です。

そのため、我々は、高価なオーガニック認証の原料を使わずとも、食品由来で肌にやさしく、安心してお使いいただける商品を作ることに貪欲に取り組み、品質と価格の両立を実現してきました。こうして、敢えて「オーガニック」にはこだわらず、だからといって価格競争をするわけでもない、その間にある場所に「skin PEACE」を位置づけています。ここで、「食品由来成分100%、肌にやさしく安心・安全な化粧品で、手に取りやすい価格。その上途上国の支援にもつながる」ということを訴求し、自分たちの立ち位置を築き、お客様の支持を得ていきたいと考えています。

「skin PEACE」商品

―このプロジェクトを遂行する中で、困難に感じたことはありますか?それをどのように乗り越えましたか?

こうした社会性の強い取り組みを、一企業としてどのように外部に発信するか、ということについては、まだまだ試行錯誤している段階です。しかし、商品企画段階においては、商品の社会性を、お客様に対してコミュニケーションする方法を明確にしなくてはなりませんでした。

実は、当社は以前、他社の商品企画をプロデュースするという業務に携わっていた時期があり、その時の経験から「想定した売り方をもとに商品を企画する」方法を熟知していました。そこで、「skin PEACE」のブランドでも同様に、まずは安全・安心で高機能な化粧品ということをお伝えし、そして、手に取ってもらって初めて商品の社会性を知ってもらうというコミュニケーション方法が最も有効なのではないかと考え、「skin PEACE」ブランドは、安全・安心と保湿力を全面に出す形で企画がまとまりました。また、商品パッケージは、愛着が持てるように優しい色合いでアフリカの自然をデザイン、商品の裏面とリーフレットで「フィール・ピース・プロジェクト」を紹介しています。

 

―お客様からの反応はどうですか?

実際に商品を発売してみると、最初に想定としていた「働く女性」だけではなく、「子供をもつお母さん」が顧客層に多いということが分かりました。食品由来成分100%の安全・安心な化粧品で、手頃な価格ということが支持を得られている理由だと思いますが、子供を持つお母さん層は、途上国の子どもの幸せにつながる商品というところでも、共感値が高いのかもしれません。

商品でいえば、最初に発売したハンドクリームが一番の人気商品で、特に乾燥する冬場は、保湿力が高いとお客様にご好評いただいています。「skin PEACE」の商品は、現在日本全国のバラエティストア約2000店舗以上で販売していますが、自社のインターネット通販サイトでも販売しています。化粧品口コミサイト「@コスメ」でも、2年連続年間ベストコスメ大賞第4位に入賞するほど、多くのお客様からの高い支持を得ています。

 

―最後に、今後の目標を教えてください。

これまで、ベナンから約2トンのシアバターを輸入してきましたが、今後はこの取引量を増やすことを大きな目標としています。そのためには、日本国内でのシアバターの消費量を増やさなくてはなりません。「skin PEACE」商品は、累計販売数が16万個に達していますが、国内・海外も含め、今後も積極的に販路開拓をしていかなくてはならないと思っています。「skin PEACE」のような社会性のある商品は、インターネットを通じた販売に向いていると思っています。それは、多くの商品が並ぶ実店舗では、社会性の部分のコミュニケーションをする場所が、商品のパッケージや店頭POPのみに限られますが、インターネット上では、その場所を多く持つことが可能だからです。今後は、実店舗と並行してインターネット通販にも力を入れていきたいと思っています。

「フィール・ピース・プロジェクト」は、まだ始まったばかりです。我々のようなビジネスモデルを他の企業にも知っていただき、生産者・生活者・社会「3方良し」の商品がもっともっと生まれるきっかけ作りをしていきたいと思います。

この企業について

株式会社グラフィコ

東京都品川区大崎 1-6-1TOC大崎16F

https://www.graphico.co.jp/

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